【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第3章 説得と約束
「本当は、自分でもやめといたほうが良いかなって思ってるよ。
迷惑かけたら悪いし、
東京とかちょっと怖そうだし、
他校の知らない人がいっぱいっていうのも不安だし。
でもさ、今日、澤村くんとか武田先生とか鵜飼さんに、
来てほしいって誘われて、嬉しかったんだよね。
必要とされてるって思ったら、その期待に応えたいって思ったよ。」
そして最後にこう付け加えた。
「でも、こうちゃんが反対なら、行かない。」
「……。」
「こうちゃんに嫌な思いさせてまで、私が行く理由なんてない。」
「……はあ。」
菅原は天井を仰いで息を吐いた。
しばらく考えてから、立花を見る。
「東京は遠いし、暑いからな。」
「うん。」
「疲れたり、具合悪くなったら、早めに言うんだぞ。」
「うん。」
「近くに俺がいなかったら、誰でもいいから無理せずに言うこと。
俺から清水と谷地と大地には話しておくから。」
「うん。」
「いいか、みーは部員でもマネージャーでもないんだから、普段から練習に参加してる俺たちより体力が劣って当然だ。
みんなと全部同じことができなくても当たりまえなんだからな。」
「うん。」
「あと、他校の中には俺もどんな奴か知らないのがたくさんいる。
危ない奴もいるかもしれないから、充分気を付けるんだぞ。
なるべくうちの連中から離れないように。」
「うん。」
「夜更かししないこと、水はこまめに飲むこと、ごはんはちゃんと食べること、
あ、お前乗り物弱いんだから薬忘れんなよ。
もしかしたら夜は寒いかもしれないから上着も持っていくこと、あと……。」
菅原の話をさえぎって立花が口をはさむ。
「わかった、わかったから。ねえ、行ってもいいの?」
「今言ったこと全部忘れんなよ。」
「うん!」
「よし、じゃあ明日一緒に武田先生に報告に行くか。」
「うん!」