【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第15章 最終日 (それぞれの)
「大地大地!みーが赤葦に何か話しかけられてんだけど!?
ちょっと聞いてきてくれよ!」
一方菅原も二人の様子を気にしていた。
「自分でいけばいいだろ。いい加減過保護やめろ。」
「いやいやいや、昨日の黒尾の意味深な赤葦あいつまさか発言といい、俺が駆け付けた時の妙な空気といい、
あの二人なんかおかしいんだって。
帰りも俺が何かあったのか聞いてもなーんも答えないしさ。
ていうか今回いろいろおかしいホントに。」
澤村は食事の手を休めずに相槌を打つ。
「ほー。そりゃまたどんなふうに。」
「それは……分からないけど。でも、今回初日から黒尾に変なあだ名付けられてたみたいだし、ストーキングでもされてんのかとか、
二日目にあいつが倒れたときもどうして俺が真っ先に気付けなかったのかとか、
一昨日の午後、明らかにあいつ様子がおかしかったから夜にでも話聞いてやろうと思ってたのに
いつの間にかけろっと元気になって月島と仲良く笑い合ってたし、
昨日も日向と灰羽と手を繋いで仲良さげにしてたしさー。いや、別にいいよ?
あの二人は下心なさそうだったしみーも楽しそうだったし。
でもなんかモヤモヤするんだよなー。
あーもうなんなの俺。おかしいの俺の方!?」
「もうさ、それ全部そのまま立花本人に言ってみろよ。」
「言えるわけねーべ。」
澤村はため息まじりに聞いてやる。
「なんで。」
「なんでって、そりゃ俺はみーの幼馴染で保護者みたいなものなのに、
まさかあいつが周囲の人たちとかかわるのが面白くないみたいな発言、最低だべ。」
「じゃあおとなしく見守るしかないだろ。」
「そりゃ、全力で見守ってるけど、
肝心のみーから何の話も聞けないのが寂しいの。
今回ほんとあいつから何の話もされてない。
あーもう本当にお役御免なのかなー俺……。」
澤村は横目で菅原をみながら思う。
(どう見ても立花はスガに頼り切ってるけどな。
まあ、ちょっと悔しいから自分で気づくまで教えてあげないけど。)
「あ、月島のやつ全然食ってねえな。
俺ちょっと食べさせに行ってくるわ。」
そう言って澤村は席を立った。
「だいち~、月島もいいけど、
みーのこともちょっと気にして……。」
「それはお前に任せるわ。」