第5章 苦痛な日々(R18)
頭上で聞こえた彼の言葉に伏せていた顔を上げると、すでに彼はイスへと腰掛け視線は書類へと移っていた
「やることもあるし、邪魔になるだろ」
(邪魔って...呼んだのはそっちでしょ!?)
雨宮君の言葉に溜息をつくと乱暴に鞄を掴んだ
生徒会室を出ようと扉に手をかけた瞬間
「あゆ」
「......」
無言で振り返り、思いきり睨みつける
しかし彼は気にもとめない様子で淡々と告げた
「あんまり駿とは関わるな」
その言葉に違和感を感じ首を傾げるあゆ
(雨宮君って、武本君と仲がいいわけじゃないのかな...?)
「それは、約束の時間に遅れたから?」
「お前が駿と関わると後々面倒だから」
「意味分かんない...。もっと分かりやすく説明してくれなきゃ理解出来ないよ」
「理由なんて知らなくていい。とにかく、駿には関わるな」
まただ...
結局思ってる事が分からないまま、彼の言いなりにならきゃいけない
「分かったら早く出ていけよ」
再び書類へと視線を落とした彼を見て、再び出そうになる溜息を我慢し生徒会室を出た
「はぁ...。何のために呼んだのよ...」
(こういうの、いつまで続くんだろう...)
見当のつかないこれからの日々に不安ばかりが募る
「帰ろう...」
小さく呟いて重い足を動かした