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獄都二居座ル狐ノ子

第9章 禄


「うるせぇな…」
続いて聞こえた低く、気怠そうな声は田噛の声だ。わずかに苛立ちも含む声だった。
「…そう、谷裂も一緒に来たんだ。それで田噛が机の上で寝ていて、暴力はなるだけふるわないで起こしてって頼んだんだ。」
「暴力ふるってますね」
「…うん」
はぁー、とため息を付きながら肩を落とす佐疫。
確かに喧嘩が激しくなると止めるのが面倒になる。
考えていると直ぐ様佐疫は扉を開けて「こら!喧嘩しないの!!」と声を掛け、その後銃声が聞こえた。
よっぽど険悪そうな雰囲気だったのか。田噛平腹以上に谷裂との喧嘩は止めにくい。というか止めるのが難しい。そう佐疫も察して撃ったのか。

一人で納得し、扉を開け昇降口前の広間で谷裂と田噛が揃って説教されていた。
佐疫の説教は私ほど長くはないが、田噛は「なんで俺まで…」と言いたげな顔をしていた。
その様子に小さく笑みを零しながら、私だけでも仕事に行こうと歩みを進めた。
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