第7章 肆
執務室の扉を四回叩くと、「入れ」と低い肋角の声が返ってきた。
「失礼致します。」
そういって中に入ると、持っていた書類を机に置き、手を組んだ。
そして私を椅子に座った状態から見上げる。
「単刀直入に言わせてもらうと、木舌と連絡がとれなくなった。お前なら、予想がついていただろうがな。」
「…やはりそうですか。」
木舌は酔うとどこにでもひょいっ、と行ってしまう。その勢いで迷子になることも少なくない。獄都は広い、皆で探し回ることもあった。
だが木舌は仕事中には飲まない。
「余程相手が手強いか、それともいたぶられ続けているのか…」