第10章 -Episode2- 新しい家族
_10年前
この時百合はまだ4歳、丁度尚樹に引き取られた歳だ。
宏光は20歳の大学生、太輔は18歳の高校生、裕太は15歳と中学生だった。
「ただいま!」
「「おかえり親父(父さん)!」」
「ただいま、太輔と裕太は......今年は受験生だ、
勉強はちゃんとしているんだろうな?。」
「「おう(うん)!」」
「ならいい。
昨日話したように、今日から新しい家族が増えるぞ。」
「うん!ねぇ、どこにいるの?」
_ビクッ「ぅ......」
「あ、そこにいた!
こっちにおいでぇ。」
太輔はドアの向こうに見え隠れしている小さな女の子、百合に手招きをした。
「ぅ、ぅぅ......」
「っなんか泣いてる!?」
「そりゃあ太にぃの格好じゃね(笑)
そのロン毛ヘア、なんとかしたら?」
「っやだし!」
「やだって今年受験じゃん......」
「俺は専門学校だもん!AOでいくし!」
「太輔、それに限らず髪は今のうちに直しておきなさい。
そのままでいくと、社会じゃやっていけんぞ。面接も、すぐに落とされる。
それに、百合もおびえているだろ?」
「ぶぅ......」
(でもそれもそうか......せっかく我が家に可愛い女の子来たから
もう少し爽やかな髪型にしよ!)
太輔はほっぺを膨らませつつも百合の為に髪を切ろうかなと思うのであった。
「お前がここまで派手になったのは、宏光のせいかな?(苦笑)」
「別に俺は兄貴に憧れてねぇし!
なんだよ、いっつも女遊びばっかで帰りも深夜だぜ?
だーれがあんな兄貴に憧れるかってーの!」
「......おとぉさん、」