第11章 *烏野・西谷
俺の姉貴はバスケ部の選手だった。
俺が小学生になり、クラブチームでバレーを始めた頃だった。
姉は4年生ながらに、2つ年上の6年生の試合にでていた。
いっつもコーチに怒鳴られながら走り込みをしていた。
小学生のバスケットは身長が凶器だ。
脳も身体も発展途上のスタートラインだ。
だから、身長があるってだけで
試合に出れるやつもいる。
そんなかで、俺の姉は出ていた。
一人だけ小さくて。
誰よりも走っていた。
家に帰っても走り。
休みの日も走り。
雨の日は家の中でひたすらボールを触り。
時間があればボールを使っていた。
そして、俺が4年生になったころ
姉「夕~?一緒に走ろーっ!」
姉はいつも笑っていた。
姉は6年生になり、キャプテンをしていた。
県内では負け知らずの小学校だった。
そんな、姉がかっこよくて俺も背中を追いかけた。
俺「おねーちゃんは、さ。練習がイヤになったりしないの?」
姉「ふふ(笑)嫌なんて言ってるあいだに、3年無駄にしちゃもったいないでしょ?ニコ」
俺「おねーちゃんは、コーチに沢山怒られるよね?」
姉「まぁね!(笑)でも、それってさ、それだけ、先があるって思ったら、ワクワクすんだよね。それだけで、奮い立つんだ。てっぺんの景色が見れるならそんなもん!!ってね(笑)」
俺「...おねーちゃんってかっこいーね。俺も頑張る!!!!」
俺は、姉が走るときはいつも一緒に走った。
姉は卒業して、中学生になった。
千鳥山。
その頃俺はバレーにハマりひたすら練習の毎日だった。
その頃から姉と走ることはだんだんなくなった。
姉「夕!最近どう?もーすぐ卒業じゃん♪♪」
俺「おう!最近...うまくいかねぇことあんだよなー。なかなか、できなくて...俺かっこわりぃよな(笑)ねーちゃんそんな、かっこいいのに...」
姉「フハハっ!何言ってんの?(笑)頑張ってる人がカッコ悪い訳ないじゃん?ニコ」
母「夕。なんでも、スマートにこなしてるのがかっこいいんじゃないのよ?あんた、おねーちゃんの試合!明日!一緒に見に行くわよ!そしたら、わかるわよ♪♪」
姉「はははっ、やめてよ~(笑)」
俺「み、見てみたい!!!」
姉「まぁ、それで夕が元気でるなら!(笑)おねーちゃん頑張るから♪♪」