第29章 及川徹の話
karasuno high school
volleyball player
と、胸のあたりに書いてある。
こいつ、烏野の女子バレー部か?
綺麗ですらっとしている。
身長は俺より低いけど。
まぁ、たけぇ。
つ、つか、いつまでこの状態なんだ…
話しかけようにも彼女はイヤホンをはめて音楽を聴いてるみたいだ。
…
及川「ねーねー。」
『…!』
及川は、彼女のイヤホンを優しく外し声をかける…
よくそんなことができるな…
及川「君どこの駅で降りるの?」
『あと3つ先。』
そういって彼女はイヤホンをはめようとする。
及川「じゃあさ、俺らがそこまで送ってくよ!」
『…。好きにして』
!!
彼女はなんっつーか、サバサバ?
してんのか、なんなのか。
かわいくねぇやつ。
及川「岩ちゃんもくるよね?」
岩泉「お前1人だと何やらかすかわかんねぇから。」
及川「へ、変なことしないよ~っ」
俺たちは自分の降りる駅を二つ通り過ぎて
彼女の降りる駅へ向かった
そこの駅は無人駅で。
最近いろいろあってる物騒な駅だ。
ドアがあくと満員電車の人混みをかき分けて降りる。
『はぁ…』
及川「ね、君どこのポジション?」
『だぶりゅーえす。』
ウィングスパイカー!
及川「へぇ、じゃあさ、エースだ?」
『私まだ2年です。あの、送ってくれてありがとうございました、じゃ。』
パシャっ、
女の子「キャーーーっ!!」
!!!!
及川「あいつっ!盗撮犯っ!!岩ちゃん!!」
岩泉「わかってる!」
盗撮犯はこっちへ走って逃げる気だ。
『…。』スッ
その俺たちの前に立つ彼女。
及川「ちょ、君危ないって!!!」
彼女は、大きめのリュックからバレーボールを取り出す。
空中にふわっと、ボールを投げると…
バシィインッ!!!
ものすごい音がしたと思うと
ドカッ…!!!
鈍い音がした。
そう。犯人の顔面直撃。
!
及川「げっ、、」
岩泉「…まじかよ。」
『顔面はちょっとやりすぎたかな?』
及川「いえ、とんでもございません!!」
『?』
及川「君って美人だし…俺、君にならどんなされても付いていきます~!!」
『…。』
岩泉「なにいってんだぼけ。」