第20章 赤葦くんって…
赤葦「…たしかに。…ほら。」
『え?』
ぐいっ!
赤葦は走り出した。
繋がれた手は解けることなく
ギュッと握られている…
赤葦が走り出してから、どれくらいたっただろうか?
冷たい風を切ってここまでやってきた。
気がつけば足音は聞こえなくなっていた。
赤葦「さすがに、少しだけびっくりした。」クスッ
『はあっ、はぁっ、赤葦く、っ、ん、走んの、はや、いっ!、はあっ、』
肩で息をする。
赤葦「あ、ごめん…。」
…
赤葦「よく頑張りました。」ポンっ
赤葦くんが月の光に照らされる。
頭を少しだけ撫でてくれるた。
力強くて、優しい大きな手。
到底かなわないような
大きなカラダ。
その、笑顔とか
大人っぽい思考回路も
何考えてるのか読めない
そんな魅力的なアナタを
もっとみたいです。
こんなに、ドキドキしてるの。
伝わってますか…?
赤葦「?どうかしましたか?」
『一目惚れ…信じますっ…』
赤葦「??」
『だって、一目惚れ…』
赤葦「んっ。」
繋がれた手は強く引かれ。
言葉を途中で遮られる
気づいたら赤葦くんの腕の中にいた。
『うあ、っ…!』
赤葦「一目惚れの話まだ早いですよ?」フッ
『まだ?…はやい…??』
意味が良く分からない…
…ドキドキが止まらない
赤葦「一目惚れの話はここを出てからしましょうか。」
〜っ!!
彼がフッと笑うと
わたしの心は
止まらない…。
好きです。
赤葦「吊り橋効果って知ってますか?」
『つりばし?効果?』
赤葦「吊り橋とか、お化け屋敷とか。高いところ。心臓の鼓動が高鳴るところ。そこで告白すると、告白された人はドキドキを勘違いして、好きだと錯覚するんです。」
『へぇ…?』
赤葦「でも、俺思うんですけど…告白する方も、そこまで好きじゃなくてもドキドキしすぎてすごく、好きだと錯覚することだってあるんじゃないかと。」
『うーん。良くわかんないけどさ、仲が悪くなった時に吊り橋とか、お化け屋敷に行けば、仲直りできそうだね!』ニコッ
赤葦「…。」