第17章 コンフュージョン
辛うじて肩に引っかかってるパジャマをずり落ちないように持ちながらドアまでひょこひょこ向かう。
・・・あーもう歩きにくい。
手を伸ばせばギリギリ届くドアノブ。
一旦軽く深呼吸して、ガチャと回した。
「おはようございます、コノハ。
待ちきれずに迎えに・・・・・・?」
目の前には早乙女学園の男子制服ズボン。
上に目線をずらせは、お日様みたいな笑顔を浮かべてるセシルがそこに居た。うん、相変わらず爽やかな笑顔だ。
『せしる、せしる。
したみて。した』
「下・・・?
・・・・・・???」
『えーと、わたしのことわかる?』
「・・・コノハ・・・の、シスター・・・?」
『あー、そのせんもあったか・・・!
でもちがうよー、わたしだよ。いもうととかじゃなくて心羽ほんにんだよー』
お。自分の名前は普通に言えるみたいだ。
そりゃまあ、探しに来た相手に似てるちっちゃい子が居ればそう考えるのも当然だよね。うん。
「・・・・・・コノハ・・・?」
『うん。心羽』
「・・・ワタシが知ってる・・・コノハとは、だいぶ小さい感じがします・・・」
『だよねー・・・。
あ、もしあれだったらなんかうたおっか?』
「・・・・・・ノン、その必要はありません」
『えー、?』
「アナタから感じるミューズ、いつもコノハから感じるミューズ・・・それは同じもの。だからアナタはコノハ」
『・・・さっすがせしる・・・!』
「ふふ、それに歌で何かを伝えようとするのはコノハのいいところ。そんなコノハも、ダイスキ」
『えへへー、それほどでも。
・・・えっとさ、みんなのところにいくまえにさおとめがくえんちょうのところまでつれてってくれない?』
「サオトメ、ですか?
・・・解りました、コノハのカンですね!」
一瞬キョトンとするセシル。
でもすぐにピンときたようで、イエス!と頷いてくれた。
うん、こう言う時に空気読んでくれるセシルは素敵だと思う。
ぶっちゃけミューズさんが相変わらずどう言う女神様なのか解らないけど、セシルからそう言われるとなんか嬉しい。