第16章 フィーリング
「で、では・・・好きな相手とのデートではなかったのだな?」
『うん』
「なんだあ、そうだったんですか〜。
僕達、もしもコノハちゃんが好きな人とのデェトだったらどうしようかと思ってたんですよ〜」
『へ、好きな人??
私が?・・・無い無い!
私に好きな人なんて居ないよ』
きっぱり断言すれば、大半がほっとしたような残念そうな顔になった。
え、何故に。
そもそも恋愛禁止令なる鉄の掟が天下の早乙女学園長から出されてるし。
「そ、そうなんですか?
私・・・お2人ともすごく仲が良さそうに見えたので・・・」
『まあ、楽しかったのは確かだけどね』
「へえ、あんたが音楽以外で楽しいなんて・・・そんなに楽しかったの?
1発目からオバケ屋敷に入ってったじゃない」
『あー、あれね。
私は中々楽しめたよ、作りとか演出とか・・・あと演技とか高レベルだったし。
メリーちゃん可愛かった』
「可愛かった!!??
え、あ・・・あの・・・いかにも人形みたいな女の子が・・・!?」
『え、可愛かったよ?
座敷童子とか妖精とか、そんな感じ。声もどこかの声優さんっぽかったし。わー、後で早乙女学園長にどの声優さんだったのかだけ聞いとこっと』
「・・・・・・なんて言うか、エレだね・・・」
「・・・・・・ええ。安定の心羽、ですね・・・」
『??』
「あはは、気にしないでちょうだい。
あ、そう言えば学祭でやる出し物決まったわよ!」
『お、なになにー?』
なんだかよく解らないけど、まだ数人がポカンとしてる。
一体なんなのさ・・・。
そんな中、ともちーが今日決まった学園祭の出し物について話してくれた。
なんでも、執事メイド喫茶をやるとか。
『執事メイド・・・って、燕尾服とかメイド服とか着てお嬢様だかご主人様だかを迎え入れるやつ?』
「まあ、大体そんな感じよ」
「みんなの衣装は、ハルカやトモチカ達が作ってくれるそうです。ワタシ達は、お客様に喜んでもらえるように頑張りましょう!」
『おお、気合い入ってるねーセシル』
「ま、楽しみなのはみんな同じって事だろ。
さあ、そろそろ寮の部屋に戻ろうぜ?」
翔にそう言われて、「おやすみー」と就寝の挨拶を交わしてみんなと別れた。
今日は、なんだかいい曲つくれそう。