第11章 酷
「兄さん………」
「京介!?帰ったんじゃなかったのか?」
「ずっと居たよ。兄さん…」
「ん?」
凄く言いたいのに
言葉を飲んでしまう俺…
「あっ………」
こんなこと…俺が口出ししていいのか?
流星姉は…
そんなことした俺のこと嫌いになるかな?
でも…………
かまわない。
流星姉のつらそうな顔…
みたくねぇから…
「兄さん。流星姉のこ…」
「それにしても。流星さんは可愛いよね。こんな俺のこと好きだってさ。妹みたいで本当に可愛い♪」
!!
「兄さん…」
「それでもってあの笑顔本当に可愛い」
「兄さん」
「ねぇ?京介は…」
「兄さん!!!!」
「…………っ」
兄さん………………
「京介…」
「兄さん…本当は気づいてるだろ!?流星姉は兄さんのことを好きなんだ!」
「!」
そうだ…
俺じゃない。
兄さんのことをだ。
「なんのことだ?」
「とぼけんなよ…。兄さんだって流星姉のこと好きなくせに!!なんで、気づかないフリをすんだよ!」
「京介…………?」
ポロッ
「あいつはっ//兄さんと居ることが何よりも楽しみでっ//本当に心の底から兄さんのことっ//」
「っぅ………………//」
兄さん…
俺は兄さんだから
流星姉を渡す。
兄さんならアイツだって幸せになれるから
「……………………でも俺は…アイツも大事だ。でもお前も大事なんだよ!京介!!」
「!!」
にっ…………
兄さん…………?