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シャングリラ  【サイコパスR18】

第11章 劣情


***


―――――ピピピピピピピ!ピピピピピピピ!
「!」
 電子音に、勢いよく飛び起きた。と、同時に。
「――――――――うっわ、……最悪。」
 下半身、というか自分の股間辺りが、明らかに濡れている感触。一気に掛布団と敷布団を引き剥がし、ベッドから降りる。幸い、まだ出勤までには時間がある。シャワーを浴びて来よう。いや待て、その前に、僅かに濡れてしまった掛布団のカバーを外し、洗濯機へ放り込む。敷布団は、濡れていないようなので、あとで何とかしよう。まずは、この体の不快感を、洗い流さねば。

 シャワールームで、熱めのシャワーを浴びる。全身くまなく、ボディーソープで洗いながら、俺の頭は今しがたまでみていた夢の輪郭を辿っていた。
「――――――ハッ……。」
 まったく、俺は何という夢をみていたのか。何が「それだけで俺には充分」なのか。自分の浅ましさに、笑いが漏れる。
いくら『社会(シビュラ)』が俺を爪弾きにしようとも、俺も人間ということらしい。あ、でも、この『社会』の『健康な市民』は、性欲もシビュラにコーディネイトされている。それを考慮に入れるなら、やはり自分は『人間』じゃないのか。結局のところ、考えたところでよく分からないし、馬鹿馬鹿し過ぎて、今更答えが欲しいとも思わない。
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