第9章 熱
「あ、そういえば、悠里ちゃんの端末の番号、俺の端末に入れといていい?」
「いいよ。」
そう言って、一旦食べる手を休め、私個人の端末を差し出した。秀星くんは、慣れた手つきで端末を操作した。
「これで、ヨシ。悠里ちゃんの端末にも、俺の連絡先入れといたから、「仕事」中以外は、いつでも連絡できるよ。」
「私も、すぐに返信はできないときが多いだろうけど、1日1回はチェックするから。」
朝ご飯をすっかりごちそうになって、私は秀星くんの部屋を出る。片付けもできなかったので、改めてお礼をすると言うと、めちゃくちゃ期待してると言われた。そんなに期待されても、多分大したお礼はできないけど。でも、そうやって思ってもらえるのは、単純に嬉しい。
お腹だけじゃない部分もいっぱいになって、私は今日も管財課オフィスへと出勤した。