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シャングリラ  【サイコパスR18】

第9章 熱


 結局、残りのプリンは私が全部食べて、終わり。秀星くんは、なぜか上機嫌で。でも、よくわからないけど、秀星くんがご機嫌なのは、私も嬉しい。ふと、デバイスで時間を確認した。
「え!?もう11時とっくに過ぎてる!?」
 当たり前と言えば当たり前だ。だって、秀星くんの部屋についた時点で、10時を過ぎていたのだから。
「あれ、気付いてなかったの?」
 いや、時間なんて気にしてる余裕がありませんでした……。
「今日はごちそうさまでした。それじゃ、おやすみなさい。」
 いつまでも私がここにいたら、秀星くんが寝られない。今ならギリギリ電車があるだろうし、急ごう。私は、ソファから立ち上がった。

「今から電車で帰んの?危ないからやめときなよ~。」
「え?でも、私がここにいたら、秀星くんが寝られないでしょ?」
「いや、今何時だと思ってんの?不用心にも程があるでしょ。夜中に独りで女の子が外にいたんじゃ、狙ってくださいって言って歩いてるようなもんだよ?シビュラシステムは、犯罪をある程度未然に防ぐことはできても、完全に防げるわけじゃない。だからこそ、俺ら『執行官』がいるんじゃん。」
 秀星くんは、呆れたように言った。
「でも、ここにいたら、秀星くんが迷惑……」
「だからさ、俺、『執行官』だよ?もし悠里ちゃんが襲われたりよからぬことに巻き込まれたりしたら出動要請がかかるわけでさ、そうなったらもっと迷惑。」
 そうでした……。あまりに正論過ぎて、反論もできない。
「そっか……。じゃあ、管財課で寝るよ。心配してくれてありがとう。」
幸い、空調は作動するし。1日ぐらい、シャワー浴びられないのも我慢しよう。
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