第63章 『監視官』
「うん?どったの?さっきから黙ってるけど……。あ、何となくだけどさ、何か失礼な事考えてない?」
秀星くんが、ジト目で睨んできた。
「別に……?何でもないよ。考え過ぎじゃない?」
ひぃっ!何で分かるの!?
「本当~?まぁ、いいけどさ。」
秀星くんと過ごす時間は、あっという間に過ぎて行った。そして、秀星くんの言った通り、食事を終えて、私は早めに帰宅したのだった。
楽しい時間は、あっという間に過ぎるものだなぁとか、改めて感じた。それにしても、秀星くんが、何か言いかけてやめた、その内容が気になる。
ふいに、体が震えた。もうすっかり、夜は冷え込む季節だ。……そう、だから、私の体は、震えたのだ。きっと、そうだった。