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シャングリラ  【サイコパスR18】

第56章 ラヴァーズ・パニック Ⅳ



「――――んっ……!?ちょ……!!?」
 そんなことを考えているうちに、縢は、自らの胸元に痺れるような痛みが走ったのを感じた。オーナーは、縢のリアクションなどお構いなしといった具合に、その行為を繰り返している。
「ちょ、やめろって……!」
 縢は、相手を引き離すべく、オーナーの頭を持って、力を籠めた。しかし、オーナーは見かけに反して力があるらしく、小柄な縢の抵抗では、ほとんど効果が無かった。せめて全力で抵抗できれば、結果は変わったかもしれないが、押し倒されているという体勢もあり、それ以上はどうしようもなかった。縢は、オーナーが行為を繰り返すのを、ただ耐えるしかなかった。

 幾度かそのような変態行為が繰り返されたところで、オーナーはより興奮したようだった。
「ねェ坊や……、ハァ……ハァ……。ん……、そろそろ、イイかしら……?坊や、ハジメテじゃないわよね……?」
 縢は、オーナーの言う“イイ”“ハジメテ”の意味する内容を、嫌悪感と不快感を伴って、瞬時に理解することができた。

 嗚呼、自分はこんなところで、こんなキモイ男に、躰を犯されてしまうのか―――――。縢は、そんなことを、頭の中の冷えた部分で考えていた。縢がそうこう思っているうちにも、オーナーはワンピースを脱ぎ捨て、自らのイチモツを取り出している。その光景のおぞましさに、縢は息が詰まりそうだった。
 縢は、狡噛の振り絞るような声が聞こえたような気がした。同じ室内なのに、それだってやけに遠いような、そんな気がしていた。




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