第53章 ラヴァーズ・パニック Ⅰ
「んじゃ、悠里ちゃん。どこから話しましょうか?そうねぇ……。最初からいきましょうか。シュウくんも、気を楽にして聞いてなさいな~。」
そう言いながら、先生は軽やかな口調で話し始めた。
「今から、始まりは今から1週間ほど前なんだけど……。まぁ、それなりに長くなるから、適当に何か飲みながらにしましょう。あ、お菓子とかも要るかしら?」
何だかノリノリで話し始めた先生とは対照的に、秀星くんは何とも言えない顔つきをしている。やましいことが無いなら、秀星くんがそんな顔をする必要なんて無いハズなのに。私は、横で微妙な顔つきの秀星くんはひとまず気にしないことにして、先生の話へと意識を集中することにした。