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シャングリラ  【サイコパスR18】

第53章 ラヴァーズ・パニック Ⅰ


 私は今日も、秀星くんのお部屋にお邪魔している。秀星くんが午後からオフで、私は明日がオフ。だから、時間にも余裕がある。それを秀星くんに話すと、快くお部屋に招いてくれた。

「ん……、秀星くん……。すき……。」
 そして今は、秀星くんのお部屋にあるソファーで、秀星くんと一緒に腰掛けて……、まぁ、有り体(ありてい)に言えば……イチャイチャしている。秀星くんが普通にソファーに腰掛けている上に、私が跨るような格好。本当はすごく恥ずかしいけど、それよりも、秀星くんと触れていられることの方が、……嬉しい。それに、今日は私、いつもよりもほんの少し、えっちな気分……、だったりして。秀星くんも、少し驚いているけど、私はそれよりも、私のナカが疼(うず)くことが、止められない。どちらからともつかないけれど、何度かキスをして、秀星くんを見つめる。秀星くんも、どこか熱っぽい瞳で、私を見てくれている。

「しゅう、せい……、くん……。」
 つーっと、私は自分の指で、秀星くんの首筋を撫でた。秀星くんはいつも通り、嫌がることもなく私の行為を受け入れて――――――

―――――ぱしっ。

 秀星くんが私の手首を掴んで、私の手を首筋からそっと遠ざけた。
「え……?」
 一瞬、何が起こったか分からなかったけど、状況は明白だ。
 秀星くんが、拒絶の意図で、私の手を秀星くんの身体から遠ざけた、ということだ。こんなこと、今までにあっただろうか。いや、無い。……、ちょ……、どうして……!?
「あ……、ごめんね?何か、その……、嫌なこと……、とか……、した、かな……。私……?」
 正直、私の頭は混乱の嵐だけど、秀星くんの真意を聞き出すべく、言葉を振り絞った。
「あ、……。……、いや、嫌とかじゃないんだけどさ……。……今は、その、っていうか、今日は……、っていう、か……。」
 秀星くんは、明らかに言い淀んでいる。
 秀星くんは、明らかに目を泳がせている。
 秀星くんは、ここにきて明らかに挙動不審だ。

 だって、変だ。「今日は……」なんて言い訳、女子であっても生理中とか、よっぽど体調が悪い時ぐらいしか使わない。そもそも、そんなに体調が悪いなら、会うことすら避けるし、そこまでなら顔を見れば大体見分けがつく。今日私が会ってから今の今まで、秀星くんが具合悪そうにしている素振りなんて、全く無かった……と思う。
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