第41章 溺れる夜
私はベッドに腰掛けたままの姿勢で、少しずつ秀星くんに服を脱がされている。手際が良いとは言い難いものだけど、この手は何よりも愛おしい。
「ん……」
時々、秀星くんの手が私の肌に触れて、言いようのないぐらい、くすぐったい気分になる。
「あ、寒い?平気?」
「ううん、大丈夫。」
そうこう言っている間に、私は下着だけになった。
「なんか……、ドキドキすんね。悠里ちゃんは?」
甘い問い掛け。
「うん。してる。でも、平気。秀星くんだから、平気。」
「……、そっか。」
ゆっくりと、秀星くんに押し倒される、私の躰。そんなことよりも、押し倒されたことで、秀星くんの顔が視界いっぱいに広がることが、愛おしかった。
「で、できる限り……、優しく、すんね……?」
ぎこちない、秀星くんの言葉。
「ううん。そんなの、気にしないで。」
優しくとか、激しくとか、きっとそんなのは、些細なことだ。私は、秀星くんに触れたい。触れられたい。それだけ。もちろん、それは秀星くんの気持ちあってのことだけれど。でも今、秀星くんも私を想ってくれている。だから、どうか、私のことは、秀星くんのいいようにしてほしい。それが、私の素直な気持ち。
「悠里ちゃん……?」
「いい。秀星くんが思うように。私を……、秀星くんの、いいように。」
「……、悠里、ちゃん……。」
秀星くんは、私の名前を紡いだら、そのまま私の下着をすべて取り払った。秀星くんは部屋着のまま、ほとんど脱いでないから、何だか私ばっかり。恥ずかしい。
「秀星くんは?」
「ん……。悠里ちゃんが、……、脱がしてよ?」
「え……?そ、そんな!……わ、わかった。頑張る。」
まずは、秀星くんの上着と、薄いニットに手を掛ける。震える手でも、何とかすんなりと脱がすことができた。あ、下着とか着てなかったんだ……。まぁ、お風呂上がりだからかな……。問題は、下。ウエストがゴムになっているおかげで、簡単に脱がせることができた。
「ん。ありがと。」
下着1枚を残して、秀星くんからストップがかかった。……良かった。私には、刺激が強すぎるかもしれないし……。って、今更何を思っているんだか。