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シャングリラ  【サイコパスR18】

第32章 『猟犬』 Ⅱ


 送られてきたマップ情報を確認する。どちらにせよ、まだまだ手掛かりが少ない。取り敢えず、その怪しい倉庫を探ってみるよりほかに、手掛かりになりそうなものはない。それに、あんまりゆっくりと時間を掛けてしまうと、犯人に感づかれてしまう恐れもある。もし、今しがた執行した奴が手塚正志の関係者であった場合、もう既にそれが手塚に感知されている可能性だってある。そうなれば、時間との戦いだ。それに、ドローンだって何台機能しているかどうかも分からないこの状況だ。時間を掛ければ掛けただけ、手塚を逃してしまう可能性が高くなってくる。
「よし、調べてみるか。」
 コウちゃんも、同じことを思ったらしい。
『監視官には、わたしから連絡を入れておくわ。』
「助かる。」
『ただ、その辺りはここからだと様子が探りにくいの。充分注意して。』
「ありがと、センセー。」
「行くぞ、縢。」
「了解!」

 さて、と。俺は、さっきの奴が持っていたネイルガンの電源をオフにし、懐へとしまい込んだ。こんな危険なものを、この場に置き去りにすることはできない。まぁ、ネイルガンを持っていく理由なんて実のところは、「役立つ」かもしれないからなのだが。



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