第25章 クリスマス・イヴの憂鬱
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食事が終わると、秀星くんはシャワールームへ行ってしまった。私はひとり、ソファに腰掛けて、キラキラと輝くシャンパンワインを見つめていた。大切に飾ってくれているようで、嬉しい。
「……、はぁ……。」
秀星くんの優しい「料理」を食べながら、私はなんてことを考えてたんだろう。もし、万が一でも、私が頭の中でそんなこと考えてたって知れたら、秀星くんはなんて思うだろう……。もしかしたら、引かれてしまうかもしれない。秀星くんにこんなによくしてもらっているのに、まだ欲しいなんて思うこの強欲さに、呆れられてしまうかもしれない。もしくは、私がそんなことを考えているって知っただけでも引く可能性だってある。さっきだって、秀星くんなら追及しようと思えばできたはずなのに、適当に冗談にして終わらせた。……、どうしよう。秀星くんに嫌われるの、怖いよ。頭の中、そんなことばかりがぐるぐると回り続ける。