第23章 ゲーム・パニック Ⅱ
――――――――――――――って、ちょっと待って。
……!!?
――――まさか、秀星くん、本当は……、仮にも女である私じゃなくて、本当は、男の狡噛さんが……!?
だから、イイようにされても、へばるまで付き合わされても、あんな風に笑いながら他人に話せるんじゃ……!?
そんなの嫌!!秀星くんは、私の性別も含めて、私を好きになってくれたんじゃないの……!?
本当は、男の人がイイとか、……。……そんなの、悲し過ぎる。
私の妄想劇場は、急速にそのエネルギーを失い、音を立てて崩壊し始めた。
……どうしよう……。もし、この後「話がある」なんて、秀星くんに言われたら……。他に好きな子ができたとかなら、どうにか自分の気持ちを納得させられるかもしれない。いや……、もう私は、秀星くんが好きって気持ちは、戻れない、後には引けないんだけど。でも、兎に角そんな次元の話じゃない。
私は、自分の身体が震えるのを止められなかった。やがて、自分の身体から力が抜けていくのを感じた。椅子から落ちる。自分の身体が傾き、床に落ちていくのを感じたが、もはや私にはどうすることもできなかった。
――――――ドン
鈍い衝撃を頭に感じた、ような気がする。
最後に、秀星くんの笑顔が、浮かんだような、そんな気がした。