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シャングリラ  【サイコパスR18】

第3章 涙


 かがりさんと初めて会ってから2週間が経った。かがりさんは別れ際に、もし会うことがあれば気軽に声を掛けてよ、みたいに言ってくれたけれど、あの日から全く姿を見ていない。お昼休憩のときに食堂に行ったときなんかには、何となく食堂全体を軽く見渡して、かがりさんがいるかどうかちょっと探してから席に着くのが、私のここ2週間の癖になっていた。まぁ、刑事課はそもそも出勤時間が不規則だし、出動命令さえ下りれば食事時も深夜も関係ないから、むしろばったり会う方が不思議なのかもしれない。かく言う私はお昼休憩。定時出勤・定時退勤と言いたいところだけど、仕事がまだ全然慣れなくて、他の人よりもかなり多くの時間がかかってしまう。まぁ、私の周りはほぼ全員超エリートなんだから、比べる対象自体を間違ってるんだろうけど。それでも何でも、私も自分で働いて、自分で食っていかなくちゃいけない。そのための仕事をやらせてもらえてるんだから、多少残業があっても、文句なんて言っちゃダメ。
 今日もかがりさんは、いないみたい。ひとりで窓際の席に座って、ぼんやりと外を眺めながら、ランチを摂る。うん、今日もおいしい。ここ公安局の食堂は、オートサーバーの性能も国内屈指のものを導入しているらしく、とてもおいしい。家で食べるのとは大違い。それどころか、初めてここ公安局の食堂で食事をしたときは、そのおいしさに衝撃を受けたことを、今でもはっきりと覚えている。私は今日も大満足で、日替わりメニューを完食した。
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