第19章 バースデー・サービス 前編
「ううん、する。」
「……へ?何?」
秀星くんはキョトンとしている。
「何って、秀星くん、何かサービスしてほしいんでしょ?私にできることなら、サービスさせて?」
何を言われるか分からないけど、言ってみた。
「…………。」
この沈黙が恥ずかしい。恥ずかしいことを言って、後悔し始めたその時。
「……マジで?」
秀星くんがぽつりと口を開いた。
「……、うん。」
緊張しながら、私も口を開く。
「……言ったら、やってくれんの?」
「内容にもよるけど、私にできることなら……。」
「…………。」
秀星くんは、黙ってしまった。言わなけりゃよかった。
「ごめんね、今の冗談。本気にしないで……、!?」
秀星くんが、繋いでいた手を強く握ってきた。
「期待させといて、冗談?」
「え……?」
秀星くんが、ジト目で睨んできた。怖くはないけど。
「俺、期待しちゃったじゃん……」
言いながら、秀星くんは、手の力を緩めた。
「あ……、その……、私にできることなら、頑張るから!」
勢いんに任せて言ってしまった。
「ふ~ん?そんじゃ、んー、何がいっかなー……」
秀星くんは、どこか楽しそうにして、時々私をちらりと見ては、口角を上げた。
「場所、移動しよ?」
秀星くんの提案で、私たちは秀星くんのベッドへと移動した。