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シャングリラ  【サイコパスR18】

第18章 誕生日


 最後の言葉を聞いたときに、私の瞼に、秀星くんの笑顔が浮かんだ。通話は向こうから切ったみたいで、端末の通話画面は、私の余韻を無視するみたいにして、早くも通常の画面に切り替わっていた。
「私も、楽しみに、してるね……。」
 端末の通常画面に向かって、私はそう呟いた。絶対に聞こえるはずのない、私の声。それでも、いい。

「12月2日、楽しみだな……。」

 私の声は、ひとりきりのこの部屋に吸い込まれるようにして、消えていった。



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