第16章 官能クライシス Ⅱ
私は、持ってきた荷物から、着替えを取り出した。
「―――――っ……。」
昨日濡れたままにしておいたから、パンツに白いシミができていた。それを見ただけで、またあの熱をぶり返しそうになる。首を振って、新しいパンツに履き替える。そういえば、ブラジャーも、昨日秀星くんに外されたままだった。ホックを付け直す。ブラジャーの布地と、私の胸の敏感な部分が擦れて、びくっとした。こんな化学繊維じゃなくて、秀星くんのほうが――――――って、私は朝から何を考えてるの。
顔を洗って、軽くメイクして。
「悠里ちゃ~ん!」
キッチンから聞こえる、秀星くんの朗らかな声に、胸を弾ませた。
秀星くんの「料理」をたっぷり味わって、ゆっくりと秀星くんと過ごして、時々思い出したように、触れるだけの優しいキスをしてもらって。
私は時間の許す限り、秀星くんの傍にいさせてもらった。秀星くんといると、時間なんてあっという間に過ぎてしまう。私は、満ち足りた気持ちと、寂しい気持ちを胸いっぱいに抱えながら、帰路に就いた。