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【SS合同企画作品】それは秋の幻だったのか

第16章 体育祭


「ソラちゃん!」
「さつきちゃーん!」
ソラはさつきを見つけると、ほっとして飛びつき涙ぐむ。ヨシヨシと頭を撫でるさつき。
ゴールした2人を待っていたのは、若松、今吉、さつきのGOGO☆桐皇バスケ部メンバー。
「見てるこっちが恥ずかしいわ!」
「目立ってたでー」
「うっせーよ、ソラも泣いてんじゃねーよ」
青峰はソラをさつきから引きはがし抱き寄せると頬を両手でぎゅーっとする。ソラは止めてよとブサイクな顔でバタバタするが、その姿が、可愛くて。
「青峰、にやけてるで」
「あ!?」




「みなさーん、お昼にしましょー」
手を振りながら、同じバスケ部の桜井が駆けてくる。
「青峰サンと、みなさんのお弁当も作ってきました」
「お前はコイツの母親かっ!」
「すっ、スミマセン。あ、ソラサンの分もあるので、良かったら…」
「え!?私のも?」
「はい。青峰サンが連れてくると思って、人数に入れておきました」
パカリと開いた重箱には、おにぎり、玉子焼き、唐揚げに煮物など豪華なおかずにフルーツまで入っている。
目をランランとさせるソラ。
「桜井くんすごいよ!こんなお弁当だったら、毎日食べたい!!」
「あー、ソラちゃん。それ以上は…」
「ソラ、お前だめな」
「え!?」
「す、スミマセン、スミマセン」
「なんで良が謝んだ」
不機嫌そうな青峰は、いただきまーすとモリモリ食べ始める。
「今のはソラちゃんが悪いな。やきもち焼かせてどないすんねん」
「ドンマイ」
「ソラちゃん、私が作ったのもあるから食べよう?」
「え”!?」
「…ドンマイ」


さつきが作ったお弁当を食べると、涙が溢れた。
「ちょっと!大ちゃんひどいことばっかしすぎだよ!ソラちゃん泣いてるよ?」
「い、いやさつきちゃん。この涙はね…」

「しゃーねーな」
「わっ」
「おら、口空けろ」
青峰はソラをぐっと抱き寄せる。箸で掴んだ玉子焼きを、口元に。
「今度は俺に作ってこいよ、お前の弁当。なら、次は2人きりで食べれんだろ?」
「…うん」




「どっ…せーい!」
「若松、落ち着きや」
「もう、またイチャイチャしてるー」
「うっせ!誰の弁当のせいだ!!」


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