第16章 真実
「そうなんです。辞めちゃった後に真実を全部聞いて…」
「酷いことしてしまったので謝りたくて」
大「真実??ちゃんが辞めた理由??」
「はい。実は…」
風月「やめて‼」
村「風月ちゃん??」
風月「何もかも、私が仕組んだの。さんの作品を上司に頼んで私のものにしてもらったのも。そうするために上司と関係をもってたのも、全部私。それを隠すためにさんを悪者にしたの」
安「なんでそんなことしてん…お前のせいでは‼」
風月「羨ましかったの。才能があってみんなから慕われてて」
丸「たったそんな理由で??」
風月「私だってそれまではそうだったの。でも、働きはじめて、私のことを誰も相手にしてくれなくて…」
パチンッ
渋「それは、一番やったらアカンことやで。みんな努力してるからこそ、周りが認めてくれる。努力もせず、そんな幼稚な考えで人を傷つけたらアカン」
風月「……(泣)」
村「悪いけど、今のあんたに俺らは同情すらできへんわ」
風月「…分かってます…」
「あの…俺ら、どうしたらエエですか??」
横「申し訳ないんやけど、今日分のケーキ作ってくれへんか??ちゃんの行方が分からんくって、スイーツ作れるやつがおれへんねん」
大「横山くん??」
横「そうせんと、営業できひん」
村「本来ならお前らがまいた種なんやから、ちゃんが帰ってくるまで責任とってほしいところやけどな」
風月「…」
「…あの、もしよかったらさんが帰ってくるまで作りますよ」
村「えっ??」
「あのときの罪滅ぼし、少しはさせてほしいんです」
丸「でも、仕事あんねんやろ??」
「もちろん、両方に迷惑かけないようにします。お願いします‼」
横「すばる、どうする??」
渋「…ちゃんが帰ってくるまでやで」
「「ありがとうございます‼」」
村「なら、始めよか。はようせな、時間なくなってしまうからな‼」
「「はいっ‼」」
横「風月ちゃんは今日まででええわ。ここのパティシエはちゃんやからな」
風月「…はい…」