第1章 出逢い
パクッ
安「うま~い」
渋「せやろ。ヒナの得意料理やねん」
村「ちゃん、どない??」
「あ…おいしい…です」
村「なんか、引っ掛かる言い方やな」
渋「あんま甘いもん好きちゃうんやない??」
安「そんなことないよ。だって、甘いものが好きすぎてパティシエになったぐらいやもん」
村渋「パティシエ!?!?」
「ちょ…章大‼」
安「ええやん。隠すことやないし」
村「パティシエってホンマなん!?!?」
「今はパティシエの仕事はしてないですけど、資格は持ってます」
渋「以前はお菓子作りしてたってこと??」
「はい。某有名ホテルで…」
村「せやったら、プリン口に合わんかったんやない??」
「そんなことないです。家庭の味みたいな優しい味だと思います。ただ…」
村「ただ??」
「お店のスィーツとしてはちょっと…。今の時代、スィーツでお店の良し悪しが決まるって言うぐらい重宝されているので、これでは良さが伝わらないかも」
村「そっかぁ」
カランカランッ
横「せやったら、どうしたらええ??」
渋「横‼ビックリするやんけ」
横「すまんすまん。で??どないしたらええ??」
「スィーツに関しては、もう少し本格的な物を出すべきだと思います。あとは…」
安「外観ちゃう??雰囲気はいい喫茶店やけど、パッと見では入りにくい感じがするし…。例えば、営業中にはドア開けてみるとか。そうすれば外までコーヒーの匂いがするから、少しは興味を示してくれるんちゃう??あとは、外観を少し明るくしてみるとか」
村「なるほど…」
横「でも、そないに金かけられへんで」
安「外観はペンキ買ってきてみんなで塗ったらお金そないにかかれへんよ」
村「スィーツは??プロを雇うお金ないし」
安「につくってもらえば??」
「はっ…??」
安「だって、よくスィーツ作ってるやん。わけてあげれば??」
「いゃいゃ…売り物にするようなものちゃうし」
渋「…お前ら‼勝手に話し進めてるけど、認めへんで‼」