第4章 誘拐と鎖
あれからというもの、俺はとても充実した毎日を過ごしていた。
でも、一つ気がかりなのが…クロハのこと。
彼氏がいるのに元彼のことを考えるなんて最低、だと思われても仕方ないけれど…
あの後、俺がクロハと別れてしばらくしてクロハが転校してしまった。
それから、なんだか胸騒ぎがするようになった。
気のせい、なんだろうけど。
なんだか本当に、妙にね…
「琴美? どうしたんすか?」
心配そうな顔をしたセトが俺の顔を覗き込む。
慌てて“なんでもないよ”と伝えると、セトは少し納得がいかないのか表情を曇らせた後頷いた。
嘘をついてしまった罪悪感に襲われる。
「……」
それにしても、この違和感…胸騒ぎはなんなんだろうか。