藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第16章 ♡Story40♡ すれ違う心、信じる心
「今なんとか兄の屋敷に入る術を考えているんだが......
もう俺が直接屋敷に入るのは困難だ、俺も既に裏切り者だからな......」
「......。」
(なら......どう彼女を助け出せばいい?
やはり、俺があの時に......)
「......団司君はよくやった、だから自分を責め込まなくていい。」
「......。」
「......念のために確認したいことがあるんだけど、」
「......?」
「......百合ちゃんが、藤ヶ谷君を嫌いだと言ったのは紛れもなく嘘だろ?」
「......?」
(どういう意味だ?
なぜ彼女が先生の事を嫌う?)
「兄が言うに、彼女はもう彼が嫌いだといったらしい......
ちょっと藤ヶ谷君、その言葉を間に受けちゃってね......」
「っ......」
(っそんなわけない、彼女はそんなこと少しも言っていない......むしろ、)
「......どう思う?立花君......」
「......。
(どう思うかなんてそんな事はただひとつ......)
っ彼女は......これっぽっちも嫌いだなんて、言っていない......
まだ彼女は......
あの人を愛している......」
口をなんとか動かし美咲さんに伝えた。
「っそう、だよな......」
美咲はほっとしたかのように肩をなでおろした。
「......ネックレスだって、海に投げ捨てただなんて嘘だろ?」
「っ......」
(ネックレス......あのネックレスは......)
「ネックレスは、彼女がちゃんと今でも身につけているんだろ?」
「っ......」
団司は少し顔を歪めた......
「っ団司君......急にどう、したんだ?」
「っ美咲さん......あの...あのネックレスは......」