藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第13章 ♡Story37♡ 有栖川雅
理科室を出てしばらく歩いていると......
「百合ちゃん!」
用足を済ました徹平と団司が百合のもとに走ってきた。
「っアイツに......なにもされなかったか?」
「っはい......一瞬だけですけど、有栖川先生の眼が怖くて......」
「っやっぱり......」
団司は顔を歪めた。
「でも途中で見回りの先生が偶然来て......そのまま理科室を離れました......」
「っ不幸中の幸いだったな......」
「え?」
「さっき美咲さんから連絡が入ってな......」
「っぇ......」
「俺もさっき、立花から聞いたよ。
アイツ、今日にでもやらかすかもしれないって......話......」
「っ......」
「本当に不幸中の幸いだ......もしあそこに先生が来ていなければ、
今頃......」
「っ......」
百合は力が抜けたかのようにその場に座り込んでしまった。
「っ百合ちゃん!?」
「大丈夫か?」
「っいきなりすいません......本当に、あの場に先生がいなかったら私......」
「一人にさせて、悪かったな......」
「いえ、立花さん達は悪くありませんよ。
私が、もっと危機感を持っていればよかったんです......
ふたりっきりになった時は、十分に気をつけます。」
「危機感を持っていても、恐らく多数の男達が来る......
そうなったら、君一人で解決することは不可能だ。
俺らがしっかりしてないといけない......」
「立花さん......」
「......志村、」
「あ?」
「学校にいる間、できるだけ彼女を一人にするな。
もし用事ができても、どちらか一人は彼女についてないといけないからな。」
「わかってるし......登下校の時も、十分注意するし!」
「アイツ等には、うちの場所もわかっている......
君も不用意にうちからは出ないように。」
「はい、買い出しとかは太輔か二人で行きます......」
「そうしてくれ......よし、日が暮れる前に帰ろう。」
「はい......」
(早く、おうちに帰りたい......)