第6章 記録.6
「そうやって、簡単に死のうとするけど。普通に生きるのは奇跡なのよ。病気を持った人達は、外にも部屋からすら出られないの。それを、死ぬのが別に構わないなんて、二度と言わないで」
「....」
「大切な命がまだあるのなら、限界まで生き抜きその尊さを知るべき」
名言かよ。
と、思ったけどそうだよなあ、とも思った。
無駄に生きてるくせに、世に貢献できてない。
捨ててもいい、なんてそんな命なんてないよな。
「私の家に来て、世話係をしなさい」
ニコッと微笑む彼女の手を僕は、
「分かりました」
ギュッと握った。
たぶん、この時に僕は君に一目惚れ。