第4章 記録.4
街へ行くと、夏芽の目はキラキラしていた。
色んなお店が立ち並び、店員さんの売り込みの声が響き渡る。
「このお洋服、可愛い....」
やっぱり夏芽は女の子だなぁ。
家の中では、女の子というより男よりの女の子だった夏芽。
それほど外は刺激的なのだろうか。
「そんなに見つめて、欲しいんなら欲しいって言いなよ」
言っておくけど、君は一応お嬢様なのだからね。
「...でも、高いわ。それに、自由に使えるお金あってもなかなか使えないでしょ...ね?」
「僕がお金は考えて使えって、言ったからでしょ?欲しいんなら買ってもいいよ。また来れるか分からないでしょ?」
「やったあ!」
夏芽は嬉しそうに洋服を抱えてレジへ行った。