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醒めた夢

第1章 しがみつくつもりはない


 あぁあ。馬鹿みたいやわ。
 もう好きじゃない。というのは嘘ではない。でも、どうしてもエンドウのことが忘れられない。
 失恋というよりも、今まで当たり前にあったものが無くなった喪失感と言った方が良い。
 そして支配欲からか、エンドウが女と喋っていようが嫉妬などしなくなったが、代わりになんとも言えないモヤモヤが残った。
 なんで。なんで。なんで。
 もう、帰ってきてよ。
 しがみつくつもりはないよ。だから自分からはなんにも言えないんじゃん。
 だからお前が帰ってこいよ。
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