第6章 緊急事態!
その後、居間に戻ってきた二人をドンチャン騒ぎでお祝いした。夜も更けてきた頃…
『あ、あの…私そろそろ帰ろうかと思います』
「えっ!?今から!?」
『えぇ。明日は、10時から空手の教室が入ってますので』
「それなら、明日の朝に送ってってもらいなさいよ。理一に(ニヤリ)」
意味深い笑いをする理香に、おばあちゃんがコラ!っと、たしなめた。
「さん?」
『は、はい』
「貴女の事は、明日の朝に責任をもって送らせます。なので、今日は本当に遅い時間だから泊まって行ってくれないかい?」
栄の言葉には、わかりました、と頷いた。
「それなら、お布団ひいてくるわね。ちゃんは、客間でいいかしら?」
『はい』
「なんだ、理一と一緒じゃなくていいのか?」
その言葉に、顔がボッと赤くなった。
「いいかげんにしろ。エロ親父!」
ーーー
急なお泊まりにも関わらず、陣内家のみんなはとても歓迎してくれた。
そして、お風呂に案内してもらい着流しを貸して貰うことになり、一息ついた。
お風呂を上がると、理一が少し離れた廊下で待っていてくれた。
『待っててくれたの?ありがとう』
「いいや。今日は本当に、ごめんね。急に泊まりになっちゃって」
『ううん。こちらこそ、何から何までお世話になっちゃって…』
そこで、ふと二人は黙ってしまった。