第4章 その頃の親族一同
「何だか、悪い事をしたねぇ」
栄は、独り言のように呟いた。
「でも、もう30なんだから可愛いお嫁さん連れてきてもいいじゃない」
「悪かったわね。30を過ぎても婿さん連れて来なくて」
理香が、万里子の愚痴に返した。
「でも、あの二人はお似合いだし同級生ならくっつくかもな!がははは!」
「それなら大歓迎よ!昔から思ってたのよ♪ちゃんみたいな子がお嫁にきてくれたらなぁ、って!」
興奮気味に、万里子がお酒を注ぎながら話始めた。
「でも、空手って言ってたけど…どの位強いの?」
「あら、知らないの?元オリンピック選手の日本代表よ」
……………。
「「「「ぅえぇぇぇぇぇ!!??」」」」
「…あ、あんなに可愛い顔して…日本代表…」
「そ。んで、4位だってさ」
「…世の中…見た目じゃないんだな」
「ちゃんには、ちょっかい出さない方がいいよ。紫水ちゃんもだけど、理一のあの笑顔」
「何されるか、わからんな」
ショックを受けたり、驚いたり忙しい。しかし、栄はこうハッキリ言った。
「あの子は、きっとお嫁にきてくれるよ」
「なんで?」
「私の勘、かねぇ」
この勘が当たるまで、あと少し。