第2章 上京してから
和田倉噴水公園にて3人でお弁当を食べながらベンチに座って食べました。最初君はみょうが入りおにぎり2つを嬉しそうにほおばっておりました。みょうが入りって美味しいのかな?ななみさんのお弁当には卵焼きやたこさんウィンナーが入っていて彩りよくて美味しそうでした。それに比べて私は・・・普通ののり弁ですよ!よく少年漫画とかで男子がガツガツ食べてるあのお弁当ですよ。やっぱりこれはなしでしたかね~。ご飯の上に手作りふりかけとのり、その上にのりを重ねて横にはきゅうりの漬物を入れてみました。
実は昨日、私の家の近くのといっても歩いて10分位の所にあるスーパーできゅうりの詰め放題がやっておりまして、沢山ゲットしてきたのです。そして全部ではないですが少しだけ漬物にしてお弁当に入れさせて頂きました。農家の皆さんありがとう!!
それはさて置き3人で食べながら話していたのですがこの公園にいるのはビジネスの方ばかりです。スーツを着た人達でいっぱいでした。中には電話で取引している人も・・・。
「ここって本当にビジネスの人ばっかだな。」
最初君が目を泳がせて言いました。
「碓かにそうね。ああいう人達を見ていると私達も頑張ろうっていう気になるのかしらね?」
ななみさんが目を細めました。
「でもさあ、私達がもし養成所に入ってなかったら今頃きっとあんな風になっていたのかな?」
私は去年の精密工業でのことを思い出していました。本当は芸人になるために稼いでると社長や職場のみんなにカミングアウトした時、特に社長に怒られるんじゃないかとひやひやしてましたがみんなが全力で応援してるからと言って下さってあの時は本当に嬉しかったですね。だから私は学校のみんな、先生そして工業のみなさんの声援を背負って日々を送っているんだなあと改めて感じました。あと弟もですね。まだお金もないわけじゃないので今のうちに手紙でも出すとするか。そんなことを考えながら食べていると最初君が静かな空気から一転して話てくれました。
「僕が会社員だったらいろんな人に注意を受けながらあたふたしてるんだろうな。”コピーはまだかね?”とか”明日までって言ったのに書類ができてないとは何事か!?”ってね。」
最初君の言葉に私もななみさんも想像してしまい大爆笑でした。そんな時私のお弁当箱の中に桜の花びらが1枚落ちてきました。もうすぐ4月も終わりなんだなあと思いました。