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桃とバスケ

第1章 内面



放課後
程よい色合いの夕日に照らされたこの中学校に、部活動所属者の声が響く

ここは帝光中学

あの『キセキの世代』が所属するバスケ部のある学校

んで此処はこのバスケ部が練習している体育館だ

何故部活動未所属の私がこんな場所にいるかというと

実はバスケ部に兄がいてその兄がキセキの世代で…なんて素晴らしい家系に私は産まれていない

バスケ部に兄弟がいるのは事実だが、残念ながら上は姉でしかもマネージャーだ

その姉の名を


桃井 さつき


という

まぁしがない普通のマネージャーだ
周りによくいる奴らが所謂キセキの世代ってだけで特に目立った特技も能力もない

よくいる女子中学生だ

ただ、情報収集は極めて良い
姉が行う情報収集で何回戦も切り抜けてきた事もあるくらいだ

ダンダンと無限に響くドリブルの音の中、誰に説明するわけでもなくそんなことを考えていると桃色のの髪の毛が目の端で揺れた

「…!」

桃色の髪の毛の人物は私に気づくと、大きくも小柄でもないその体を一生懸命に伸ばし手を振り大声で名前を呼んだ

「蒼海!」

私は苦笑しながら小さく手を振る

あれが私の姉、

桃井さつきだ。
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