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嫌なヤツ

第4章 父親


「そうか、佳奈をよろしくお願いします」
「はい」

…お父さん?あれれ?納得!?

あれれれ!?

「とにかく、君たち学校に行きなさい」

…あ。



「今日は…違うか。今日もありがとう」
「おー。じゃあひとつ聞いていい?」
「え?」
「お前の将来の夢、何なの?あの時言わなかったのは、家事で忙しいからとか、お父さんが大変だからとかで考えないようにしてたんだろー?ホントお前子供じゃねぇな」
う…。なんで全部わかってるんだ。
エスパーかお前はっ!
「…演技系?」
「演技?」
「キャラ今まで作ってきたからさ。そういうの得意なのかもって思って。舞台とかまぁそういうのやりたいなって。…倉野君は?」
「うーん。俺は特に~そういうのねぇよ。将来とかまだ考えてないし」
「そっか」
まぁ…倉野君らしい答え…かな。
「…お前、表情よくなったな。なんか作ってない笑顔も多くなってきたな」
そう…かな。
前の自分がどういうキャラかもわかんなくなってきた。
今が、どういうキャラかもわかんないけど。



お母さん。


私、頑張るよ。


「早くいこうぜー」
「うん」

その時、倉野君が私の右手を握った。

「え…」
「彼氏だからね!誰も見てないしだいじょーぶ」


これから…も倉野君と一緒にいるのかな…。


そうなるといいな。


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