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嫌なヤツ

第4章 父親


「別にばらしてもいいよ」
「は?」
「なんか…もうどうでもよくなった」
もしかしたら、そうやって責められたほうが私にとっては楽なのかもね。
「…じゃあ、俺たちが付き合ってることばらす」
「はああああ!?」
「いいの?」
「…」
結局弱み握られてるような…。


「ただいまーって誰もいないか」
なんだかんだで倉野君の家に来てしまった。
「お、お邪魔します」
すごく立派な家だ。家とは全然違う。
「家の人は?」
「母ちゃんと父ちゃんは仕事ー。まぁ母ちゃんはもうすぐ帰ってくるけど。妹は今遊びに行ってると思う」
「そっか」
いいな…。
「とりあえず俺の部屋いこうぜ。2階だから」
「あ、うん」

倉野君の部屋に行った。
「部屋汚いかも」
「全然大丈夫じゃん」
部屋の中は男の子っぽい。
「つーか何するのかは考えてなかったー」
「…じゃあ、宿題してもいい?」
「おーいいぜー俺もやろー」
珍しい。倉野君いつも宿題忘れたり、やってなかったりしてるのに。
「算数のプリント教えて」
「…分かった」
なんか、学校の時とは違う…。
変な感じ。
「倉野君、算数のテストいつも何点なの」
「40てーん」
「え…。それはやばいんじゃない?小学校のテストでは」
「だってそんくらい嫌いなんだもん」
「ほかのは?」
「90点くらい?」
ほかのは全然いいじゃん。
「本城これ教えてー」
「どれ…」
「ここなんだけど」
「!」

「距離近い…」
「しょうがねーじゃん、机小さいし。お前のほうに体近づけると自然と近くなるんだよ」
「そうだけど…」
「…嫌なの?」
「…嫌じゃないけど…。落ち着かない…」
「へぇ」
倉野君は急にニヤニヤし始めた。
「…なによ」
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