第3章 佳奈
お母さんは余命3か月と言われていたらしい。
でも、私には言わなかった。
「ごめん、お母さん。やっぱり」
「信じることができない、人を」
そして5年生のときにここに引っ越してきた。
「だから、一人になった方がいいんじゃないかって思ってるんだ」
倉野君はしばらくなにも言わなかった。
「一人になりたければなれば?」
「絶対俺が一人になんてさせねーけど」
・・・え?
「俺、お前のこと好きなんだから、当たり前じゃん」
自分の感情って、分かんない。
けど
今嬉しいって思ってる。
それだけは分かった。
総合の時間になった。
アイツ、新聞破ったの5年のときが初めてじゃねーのか。
友達と思ってたヤツに裏切られた&母親なくす=心大ダメージ
たぶん、今回はたえきれなくなるかもしれない。
総合3時間目
平気だった。1.2時間目も大丈夫だった。
このまま何もなく終わりそうだ。
「結局、5年生とき新聞破ったのは誰だったのかな」
「ほんと!マジで信じられない!」
いいよ。何て言われても。
<佳奈ちゃんなんて友達じゃない>
まただ。
<佳奈、人を>
やめて!!!!
バシッ!
左の手首が後ろに引っ張られた。
後ろを振り向いた。
倉野君だった。