第52章 ハート

好きな人に触られると、それだけで気持ちがいい。
だけど、触れられる場所によっては気持ちの良さに強弱があるわけで。

男根を受け入れるそこは、その最たる場所だろう。
そして、触れられるものによっても与えられる快楽が違うのだから、人間の身体とは不思議だ。

濡れた秘裂を指で擦られるのと、舌でなぞられるのとでは受ける刺激がまったく違う。
気持ちがいいのはどちらも同じだが、後者は圧倒的な羞恥がついてくる。
硬い指で触れられるのと、ぬるつく舌で舐められるのとどちらが良いのかといえば、それは一概にはいえず、好みによるという答えが正しい。

そういう意味で答えるなら、モモは舐められるのに弱かった。

羞恥はもちろんのこと、好きな人にそんな行為をさせる背徳感が混ざり合い、すぐにでも達してしまいそうなほどの快楽を生む。

そんなモモの弱点をローはとっくに見透かしていて、だからこそ、こうして意地悪く責め立てるのだ。

｢んッ、んん、ひぅ……ッ｣

わざとらしく水音を響かせて舐められるたび、腹の奥が疼いて腰が震えた。
恥ずかしくて堪らないのに、一方でもっともっとと懇願してしまいそうな自分がいる。

気を抜けば腰を揺らしてしまいそうで、下半身に妙な力がこもる。
無意識に爪先をきゅっと丸めてしまい、そのせいで必死の我慢がローに伝わっていると本人だけが気づかない。

蜜を垂らし、ぐちゃぐちゃになっていく花芯を舐め啜りながら、ローの口角が上がる。
モモが背徳感に興奮するというのなら、ローは彼女の羞恥に興奮する。

素直に喘ぐ姿も捨てがたいが、こうして懸命に耐えるモモを見ると、どこまで我慢できるか試したくなってしまう。
だからこそ、こうしてわざとらしく音を出して秘裂を舐める。

じゅっと花芽に吸いついて、なおかつ秘穴に指を突き立てたら、控えめの嬌声がボリュームを上げる。

｢あ、あ、あぁ……ッ｣

硬く尖らせた舌先で花芽を潰し、ぐりぐりと舐め回す。
蜜壺に埋めた指でざらつく壁を叩いたら、モモの理性と虚勢はあっという間に崩れ去った。

｢やッ、く…あぅ……ッ｣

甘く甲高く鳴いて、モモは呆気なく達した。