第49章 休息

なんだか、ぼうっとする。
頭に靄がかかったように、思考がまとまらない。

辛い、苦しい。

涙で滲む視界に、モモの最愛の人が映る。

彼は優しくモモの頭を、頬を撫で、耳もとで囁く。

｢ホラ…、どうして欲しい？｣

甘く、魅力的な声。
わたししか聞けない声。

そんな声で尋ねられたら、いつまでも本当の気持ちを吐き出せずにはいられない。

｢お願い…、わたし…もう、我慢できな…。｣

頬に触れる指先に口づけ、ぺろりと舐める。
ローの瞳が眇められ、欲情の色がさらに濃くなった。

触ってほしい、もっと…奥の方まで。

ううん、触るだけじゃなくて。

｢ロー…、して…？ わたし、ローと繋がりたい…。｣

｢………ッ｣


ため息を吐くようにお願いすると、その瞬間、噛みつくようなキスが降ってきた。

｢ん……ッ｣

荒々しさを感じるキスにも、モモは素直に応える。

温もりを必死に貪っていると、突然ローの右手が動き、ずっと触れて欲しかった箇所を、下着の上からぐりっと押し潰した。

｢んんん…ぅ……ッ｣

焦らしに焦らされた刺激を唐突に与えられ、なんの準備もできないうちに、モモは快楽の渦に飲み込まれた。

背筋が弓なりに反れ、全身を激しい快楽が貫く。
なにかにしがみつきたくて、口づけをしたまま、ローの背中に爪を立てた。

｢あ…あ……ッ｣

押し寄せる快楽の波に意識を持っていかれそうになるが、塞がれた唇から息を吹き込まれ、なんとか留まることができる。

じわじわと波が引いていくのと同時に、蜜口から温かな蜜がとろけ出す。

下着はもはやその役割を果たさず、スカートにまでも濡れた痕を残した。

ローの唇が名残惜しく離れると、モモの胸は大きく上下し、まるで地上に揚がった魚のように、はくはくと息を継ぐ。


絶頂の余韻で動けずにいたモモの下半身から、ぐじょぐしょに濡れた下着とスカートが引き下ろされる。

昼間のように明るい照明の下で、生まれたままの姿を晒した。

仄かに朱色に染まった肌を見て、ローがごくりと喉を鳴らしたことなど、気づく由もなかった。