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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第44章 剣と秘薬




「わかるか? お前、今すごく色っぽい顔をしている。」

興奮を抑えられないというように唇を塞がれ、口づけの合間に火のような眼差しを注がれた。

潤んだ視界に映るローは、欲望以上のものを抱いているように見える。

「モモ…。」

甘く高ぶった声で名前を呼ばれた。
まるで“愛している”と言っているように。


『ねえ、あなたはわたしの、どこが好き?』


聞きたい。

でも、聞けない。

聞いたら最後、引き返せない気がするから。


「堪んねェな…。お前、可愛すぎるんだよ。」

「……ッ」

なぜなのだろう。
ローの吐息を肌で感じるたびに、どうしようもなく胸が高鳴って頭の芯がじんと疼く。

(ダメ…、ダメよ…。)

心に灯った炎で理性が揺らぎ、流されそうになる。

しっかりと自分を保たねば、このまま彼にすがりついてしまいそうだ。

愛を強請って。
好きだと叫んで。

(バカね、わたし…。)

そんな取り返しのつかないこと、現実には起こりえない。

それでもそんなことを想像してしまうのは、ただただ、ローのことを愛しているから。

想像くらい、してもいいでしょう?

胸に宿る熱情を告げられないのなら、せめて頭の中だけでも想い合いたい。

それがローにとって、どれだけ残酷な仕打ちであっても。


「あ…ッ」

滑らかな岩の上に、突然押し倒された。

水気を含んだキャラメル色の髪が乱れ、ほんのりと灯された灯籠の明かりで目が眩む。

「や…、待って…ッ」

ローの手が膝裏にまわり、大きく開こうとするから咄嗟に力を入れる。

「今さらなにを言ってんだ…。」

「あ…ッ、んん…ッ」

赤く色づいた先端を指で弾かれ、びくりと肩が跳ねた。

「やだ…、見ないで…ッ」

一瞬の隙に両脚を開かれ、秘めたる箇所が夜気に晒される。

「…濡れてる。」

確かめるようにあてがわれた手が花芯を撫で、くちゅりと音を立てた。

とたんにモモの頬はかあっと燃え上がり、愛撫に感じて溢れていた蜜が、ローの指をぬるぬると濡らした。



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