第11章 閑話休題:鶴丸国永
鶴丸国永がこの世に顕現されて一番初めに見たものは、これから共に闘っていくであろう仲間だった。
その次に目にしたものは、この先主となる一人の人間だ。
鶴丸国永は男の姿を見てすぐに、男は自分に特別な感情を抱いたのだと理解した。
目を僅かに見開き、その瞳にはきらきらと星が弾けていた。
ほんのり頬を染め、きゅっと唇を噛み締めている姿を、鶴丸国永は今でも鮮烈に覚えている。
ただの刀であった頃からいろんな人間のもとを渡ってきたからか、鶴丸国永はそういった人の感情に敏感であった。