第7章 燃えて灰になる
俺の薬研。
大切な刀で、大切な家族。
俺はあの子に何をしてやれたんだろうか。
何を与えてやれたんだろうか。
いつも自分が貰ってばかりで、ちゃんと返せていたのだろうか。
少しでも、刃生を楽しんでくれたのだろうか。
ああ、やげん。やげん。
顔が見たい。
声が聞きたい。
そのまろい頬に触れて、抱きしめて、めいっぱい甘えさせてやりたい。
やげん、どうして。
お前に会いたい。会いたいんだ。
会いたいのに、もう、どこにもいない。
どこを探しても、俺との思い出をもった薬研藤四郎は、もういない。