第4章 仲良き夫婦
王宮での仕事を終え、家に帰り夕食を済ませ部屋で話していた時の事だ。
「喧嘩?」
『えぇ、よくダリューン様がおっしゃっているのです。クバード殿とシャプール殿は喧嘩をなさるが、言う程仲は悪くない、と』
「ふむ、それで?」
『昔から言うではありませんか。喧嘩するほど仲が良い。考えてみたら、私とナルサス様は喧嘩をした事がないなぁ、と思いまして…』
確かに、今までに意見が食い違う事はあれど、喧嘩という喧嘩をしたことがない。何故だ?ダリューンとは、昔は絵の事でよく口喧嘩をした。
『キシュワード様にも、良き夫婦になるには喧嘩も大事だと…』
「では、我々は仲は良くないのか?」
そう言うと、は慌てたように返事を返してきた。
『そのような事はありません!ただ、私は両親の事もよく覚えておりません。ですから、仲の良い夫婦とは、どのような物か解らないのです』
肩を落とし、寂しそうに視線を下に向けている。
「なるほど。だが、仲の良い夫婦とはそれぞれだと思うぞ。私とて、妻をめとるのは初めてなのだ。お互いに仲が良ければ、周りなど気にする事はない」
『そうでございますね』
微笑むを見て、思いついた事があった。
「は、そんなに仲良く見られたいのか?」
『仲が良いのですもの。そう見られたいではありませんか』
「それなら、明日には仲良く見られる方法があるが?」
試したくはないか?
(…っ!?…殿)
(あら、キシュワード様にシャプール様、クバード様。こんにちは?いかがなさいました?)
(あ、あぁ、いや…仲が良いのは構わないが、その…)
(ナルサスもやるじゃねぇか)
(?)
には見えない所には、無数の赤い印が付けられていた。それを見る度に、ナルサスがドヤ顔をしていたのは言うまでもない。
アトガキ
ツッコミどころ満載ですが、そこはあえてスルーして下さい(。-∀-)