第20章 家族
『可愛いですね』
は、母親が抱いている赤ん坊を見て呟いた。
「そうだな」
ナルサスがを見ると、目を離さないで立ち止まっている。
『…行きましょうか』
「…」
その後は、二人で並んで歩くがは一言も喋らない。
ーーー
家に着くと、ナルサスはにこう切り出した。
「そろそろ、どうだ?」
『え?』
「仕事も落ち着いた。新居も決まった。となれば、もう一人家族を増やさないか、ということだ」
二人の間で、その話題は結婚前から決めていた事だった。王宮での仕事が落ち着き、新居を決めて住み慣れて、お互いに余裕が出来てから。と、約束をしていたのだ。
『申し訳ありません』
の謝罪の言葉に、ナルサスは疑問に思った。
「なぜ謝る?」
『昼間に私が見ていたから、気遣って下さったのでしょう』
「それはそうだが…理由はそれだけではない」
『?』
「私もな、赤ん坊が可愛いと感じたからなのだ。そして、の姿を見ていたら、私達の子供も見てみたくなった」
ナルサスはに、自分達の子供を見たいという意見を伝えた。
『本当に…宜しいのですか?』
「良いに決まっておるだろう。きっと、赤子を抱くも綺麗であろうな」
その言葉に、は嬉しそうに…だが、照れを隠しながらナルサスに微笑んだ。
『良い母になれるように努力いたします!』
新たな生き甲斐を見つけたように、キラキラとした笑顔にナルサスの口元が自然と緩んだ。
「そうだな。そう言えば、これは決めていなかったな」
『何をですか?』
何人産んでくれるのだ?
(な、何人とは…)(1人で良いのか?)(ひ、1人は流石に可哀想です)(では、少なくとも二人だな)
アトガキ
1人では可哀想ですよ。やっぱり、兄弟は作ってあげないと
だか、アニメのアルスラーンを見てたら…
シンドゥラの兄弟喧嘩のようになると傍迷惑、極まりない。